【漫画感想】たかが黄昏れ

あまり読まないような漫画を読んでみたいと思って手に取ったものだけどやっぱり僕の好みでなかった。男がいない世界で今後どうなっていくのかは気になるところだけど1巻は特に面白い展開もなくて女の子もそんなにかわいいわけでもなかった。

最近漫画を読んでいて実写をかなりトレースした背景の作品があることを僕は知らなかったがこの「たかが黄昏れ」も背景がはっきりと実写のよう見える作品だ。
個人的には実写の背景と漫画の人物の組み合わせは合成したみたいに見えて好みではない。
作者には漫画への愛があるのだろうけどトレース感がモロに出ると読み手としては愛を感じない。少なくとも僕はそうだ。
今後の展開は気になるので人物や背景が好みでないのが残念だった。

どうしても背景トレース感がモロに出ると手抜き感や漫画愛の欠如を誤解であっても感じてきてそれが読み手を軽く見ているように感じてくるのだ。その先に日本の文化なんてなくなってしまうんじゃないかと思えてもくる。海外のコミックだったらどうかというとアメコミでもトレース感があるものもあるがもうちょっとアニメ調、カートゥーン調だと思う。実写風にしちゃうとカートゥーンやアニメではなくなってくるのだ。

もちろん人によっては気にしないし好みの人もいるだろう。でも昔から色んな漫画に親しんできた僕としてはなかなか受け入れられなかった。これならすべて実写かすべてCGで漫画を見たほうが僕としてはしっくりくるかもしれない。

実写をトレースしたように細かく描いているのに漫画風である作品はAKIRAやナウシカなどがあると思う。

たかが黄昏れの一つのシーンを例にして見比べてみると面白い。

影はトレースして漫画っぽくないのが見てわかる。また背景が写真っぽいと背景のパースと人物のサイズがあまり合っていないようにも感じてくる。これが実写風に描いていなければパースに合っていないからという違和感があまりでない。

葉っぱや地面やお墓の表面のディティールはトレースで表現しているのが見て分かる。このあたりは漫画と写真の合成に見えてきて僕としては「うーん」となってしまった。
またトレースをしていることが分かる作品に「電人N」があったがこちらの作品と「たかが黄昏れ」は人物が多くのシーンで止まっているように見えるのが共通点としてある。今までの漫画が作ってきた動きを表わす表現をあまりしていないということだと思う。その点からも漫画っぽくないのだ。

AKIRAのシーンではビルをトレースしたようになっているが影の付け方、描きこみの仕方が漫画だ。影はコンピューターでトレースした細かなものがあるわけではなくビルの線画はほどなう手抜きとコンピューターでやる好みでない不必要と思われてディティールがない。

ナウシカはトレースぽっくはないが細かく描かれてあり見るだけでも楽しいしまた味があり愛さえ感じてくる。

こうやって見比べると僕の勉強にもなるし漫画について考えるキッカケになって楽しい。

ちなみに日本の漫画は浮世絵が元になっているのは誰もが知っているとは思うが完全トレースしてしまうとそれは浮世絵が見せる日本のリアリティからかけ離れることになるのだ。だから漫画っぽくならないんだと思う。
日本画の美しさと漫画には共通点があり漫画は日本の文化を継承しているといってもいい。それは完全なトレースでなく影や形も平面性がありつつもそのシンプルさには奥深さと愛があるのだ。

こちらは日本の浮世絵で漫画に使っても問題ないくらいの雰囲気はある。

ゴッホが真似で作った作品にもゴッホの独特のリアリティが含まれている。こちらも漫画とした場合も面白い雰囲気になるだろう。

海外の人が日本の絵から学んできたことは日本の見せるリアリティなのだ。漫画は浮世絵のようであり日本のワビサビのようにシンプルさの中にある尊さと儚さと凄みがあるのだ。
それがAKIRAのシーンからは見て取れる。すごいのにシンプル。うまく削除するところと残すところを選び日本の漫画が見せる日本のリアリティという感覚が表れているんじゃないかなって思う。

なのでトレース感がある作品だと尊さや愛を感じづらいのだ。
日本の作品の尾形光琳の作品もシンプルな絵なのにシンプルなりにも細かく描いていてシンプルだからこそ日本独特のリアリティが表れてきてそれがワビサビのようなものを感じさせ枯れる命が見せる極限の愛を見せている。全部現実を描かないというテクニックは愛だけでなく恐怖も現実的な絵よりも与えてくる。
これが日本の漫画には知らず知らずにいろんなシーンであるから面白さがあるんだけどトレースしすぎると残念な感じに見えてくる。

まとめ

僕の好みではなかったけど今後のストーリーは気になる作品なので続きをみたいと思った。

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