【感想・ネタバレ・考察】アーヤと魔女 がっかりした作品

【感想】

ジブリが作ったフル3Dムービーということでワクワクしていた作品。
3Dと言えばピクサーやディズニーのようなかわいいキャラを期待してしまう。
しかし、3Dのクオリティはピクサーなどとは比べ物にならないほど低クオリティだった。
ジブリでなければ気にならないところだけどジブリと聞けばどうしても期待してしまう。
悪い意味で期待を大きく裏切ったがっかり映画だった。
外国人のジブリファンの友達も「バッドだ」と辛口に批評。
しかも友達だけでなくジブリ大好きでペイントのクラスのメキシコ系アメリカ人先生も「あれはダメ、日本の3Dは全くよくない」と悪い評価。
先生が悪い評価をしたといいうことは悪いってことなんだ。ABCDFの成績で言えばC+からBぐらいのものだ。Aはプロフェッショナル、Bは普通より出来る、Cは普通、Dは普通以下、Fは不合格だ。しかし個人的にはジブリの看板があるのだからC以下だ。厳しく言えば不合格のF。
ジブリは日本の3Dはレベルが低いことを世界に見せつけたのである。
ジブリと言えば綺麗な背景、魅力的なアニメーション、全体の雰囲気はかわいいものが多いし明るい雰囲気のものも多い。そのジブリの魅力がないのである。ジブリの魅力がないジブリ映画はジブリ失格。3Dは悪くてもストーリーは悪くないと思えたのと初3Dというチャレンジした姿勢を考慮すればFが一つあっても総合成績としてはCからBマイナスにはなるだろう。残念である。

背景を作りこんでいるのは見て分かる。ジブリ作品の背景はリアルに描かれているので3Dでもリアルを追求したのだろう。しかしリアルさだけではジブリにはならないのである。視聴者が見たときにどう感じるかという直感、気持ちがない背景はただのリアルな背景であって魅力がないのである。例えば魅力的な絵を描いてくるようにと言われて、描いてきたのがただリアルな絵だと魅力はないと言えるのである。ジブリの作品の綺麗さは光の使い方、明るさの使い方にあると思う。この明るさや光はピクサーやディズニーでもはっきりと使われているのが分かる。魅力あるシーンは光の使い方で人を惹き付けるのだ。
日本のピクサー、日本のディズニーと言われるジブリの作品は圧倒的にレベルが低かったのである。学生レベル?個人作品レベルならすごいと言えるがそれでもこのクオリティならジブリでなければ注目して見ようとも思わないレベルだった。

何がどう悪かったのかのネタバレを含む考察

1:プラスチックの肌と髪

最初のがっかりポイントプラスチックの肌感だ。3DCGでありがちな人間味のない質感は最新のピクサーやディズニー作品では見ない。プラスチックの肌は間違いなく低クオリティと言われる理由である。どんなに日本には日本の考えがある、アメリカや西洋社会には理解できないことがあるんだと言ったとしてもプラスチックの肌感では説得力もない。アニメだってリアルの肌ではないけどプラスチックの肌感でもない。プラスチックの肌感だとアニメも3Dも魅力半減なのだ。
プラスチックは肌だけではなく髪もプラスチックみたいだった。髪にも肌にも魅力があるはずなのにプラスチックだと魅力を感じない。アニメでさえ綺麗な髪にはセクシーさやかわいらしさもあるのにプラスチックだとそれがないのだ。

アーヤと魔女はストップモーションの「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」を参考にしたらしいのだけど、KUBOはストップモーションで人形だけどプラスチックには見えないしリアルにも見えなくても魅力があるものになっている。アニメがリアルでなくても魅力があるのと同じ。プラスチックに感じさせないKUBOの質感、髪の毛も塊なのに見ていると徐々に自然な髪の毛に見えてくる。この感覚がアーヤと魔女にはないのだ。

予算があまりなかったという話もネットでちらほら見るが予算がないことを理由にジブリは3Dがヘタクソと世界に思われることを選ぶのは良い印象にはならないし、ジブリファンとしても嬉しくはない。これだったら無理に3Dの質感にするよりゲームの「二ノ国」みたいなアニメ調にした3Dで映画を作ってもらったほうが批判は少なかったのではないかと思うし予算も抑えられたのではないと思う。
予算、期限とクオリティを下げる原因はいろいろとあるのは分かるけどジブリファンはジブリならいいものを作ってれると信じているわけで、クオリティを優先してもらいたかったと思う。無茶ぶりだ!と思うのもわかるがそれがジブリのクオリティを期待するファン心なんじゃないだろうか。それが分かるのが世の中で出回っているアーヤと魔女の批判、がっかり批評の数である。批評家もジブリファンの人はいるしその人達だってがっかりしてしまったのである。頑張って作っても喜んでもらえなければただの自己満足で終わってしまうし、見る側も作る側も最後は喜べるのが一番いいと思うからこそ、多くの見る側の人たちががっかりしていまっているのにはジブリなら出来たはずなのにとファン心があり勝手に悔しい気持ちになってくる。

それと残念ながら3Dに限らず日本の実写映画はどこか変に見えるものが多いように思うので実写や3Dはやっぱり下手なんだと思った。

ゲームである二ノ国はゲームっぽくカクカクしているがそれでもジブリの雰囲気を出している。2Dっぽい3Dだとうまく見えるのは鬼滅の刃でも同じ。鬼滅の刃は作画とCGを使い分けているみたいだけどCGでも全く変に見えない。鬼滅の刃の映画を見たアメリカ人だって感動するほど完成されている作品だと思う。だけどアーヤと魔女はフル3Dでアニメルックではないからだと思うが変に見えてくるのである。もしアニメルックをジムリがアーヤと魔女で作っていたなら悪くはなかったんじゃないかと思えたりもする。

もちろん今回の作品に高評価の人もたくさんいるのは知っている。だけど僕のまわりだけを見ての感覚だけどそこまでジブリファンじゃないけどアニメは好きで見てるという人と、絵のクオリティはあんまりこだわっていないという話の内容重視の人は評価が高かったように思う。話の内容重視と言っても個人的にはしっくりこない部分はあるものの、アーヤがやり返そうとする行動は見ていて楽しかった。アーティスティックな目線で見ないなら評価は悪くない。

2:ぎこちないアニメーション

ジブリ作品はアニメーションがすごいと言ってもいい。むしろアニメーションに拘っているし、ジブリと協同で作ったといわれているゲーム「二ノ国」シリーズでもジブリのアニメーションのこだわりが伝わってくる。アニメーションがすごいというのは魅力の一つなのだ。
それがアーヤと魔女ではぎこちなさがところどころにある。特に顔の表情のアニメーションは物足りないものがあった。表情よりアーヤのまゆげの動きが大きくてミミズのような眉毛がクネクネ動いているのが残念すぎる。

そして服や布団などの布の動きも海外作品に比べてぎこちがない。例えばドリームワークスのボスベイビーを見ると枕やベッドシーツなどは滑らかで見ているだけで柔らかさが伝わってくる。それが全体的な雰囲気を柔らかくして見ていて心が苦しくなくすっきりしてくる。一方、アーヤと魔女では枕は硬そうだし布団も柔らかそうには見えない。かわいい装飾なはずなのにかわいくない。カーテンはクマの人形もあんまりかわいくないのである。

アニメーションに拘りがあるジブリとは思えないお粗末な状態だ。アニメーションがキャラを面白くさせるのに面白さを感じないのはたぶんアニメーションが変でも誤魔化して魅力をひきだそうとしてないからじゃないかと思う。KUBOは人形だしストップモーションだからリアルな動きではないけどダイナミックで惹きこまれるものがある。アーヤと魔女はアクションものではないけどカメラや音や光の使い方で魅力はもっと高まったのではないかと思えてくる。

歩いているシーンもどこか面白くない。ジブリ作品はキャラクターが活き活きしているのはアニメーションに魅力があるからだと思う。アーヤと魔女はそれがない。アニメーションについてジブリの監修があったんだろうか?ゲームのニノ国でも作成したレベル5ではジブリの監修がしっかりとジブリっぽさがアニメーションに出ているのが分かるのにアーヤと魔女にはジブリっぽさを感じない。初3D作品だからうまくできなかったのだろうか?

3:全体的な色に面白みがない

海外作品の3Dに見慣れているからか全体的にボヤっとしていて色のメリハリがなく面白みがないように見える。

例えばアーヤと魔女の赤ちゃんが笑顔になってるシーンがある。なにかもっさり、鮮やかさがなく見ていて色あせていて面白くないシーンになっている。反対にドリームワークスのボスベイビーを見ると影や光がストーリーを持っていてパッとみた瞬間に面白みを感じる。

また全体的におもちゃの部屋に見えるように撮影されていると思う。小さなおもちゃ箱でキャラが動いているように見えるシーンは他にもあったが、わざとなのか下手だからかはわからないけどこれが魅力を半減させているだろう。もちろん全体の色も面白みがない。反対にボスベイビーのワンシーンではおもちゃの部屋には見えずさらに状況に合わせた雰囲気を光と影で表現されている。海外作品の3Dでは直感を大切にしているのが分かってくる。もちろんジブリのほかの作品も直感を大切にしているだろう。
今回のジブリ作品は今までのジブリとは違う新しいメンバーで作られているようなので今までのジブリとは違うのはしょうがない。でもジブリっぽさをもっとなくさないようにしてもらいたかったというのはファン心だ。新しいジブリのスタイルを模索したアーヤと魔女には好感を持てるけど、おもちゃ箱の中でおもちゃが動いているように見えるのはクオリティが低いと思われてもしょうがないだろう。誰が悪いとかではないし素晴らしいアーティスト達をそろえたのだろうから、結果としてこのようになったのはやはり予算と時間がなかったからなのだろうか?

面白みを感じたところは最後のドラゴンになるシーンである。今までのもっさりしている色合いがはっきりと変わり光と影が雰囲気を出してストーリーを感じる。

4:現実と非現実のバランスが悪い。

アーヤと魔女は背景をリアルに見えるように作っているけど、リアルなだけでは全く魅力がないのだ。ジブリ作品のトトロを見てみると背景はリアルに描かれているしキャラクターはリアルではなくても全体的にもっさりしていなくて変に見えず魅力を感じる。光と影のバランスがうまく直感に訴えてかけてくるものがある。一方、アーヤと魔女ではリアルに見せているけど全く魅力は感じないのは直感を抜きにした作品になっているからだろう。

リアルな食べ物だけどそれじゃない感がある。

背景はものすごくリアルに作られている。しかしなんでジブリ作品は背景がリアルなのに綺麗に見えて魅力を感じるかというと直感なのである。目の前のビンや食べ物をリアルに描くスティルライフというものがあるがリアルに描いただけではすごい身はあっても直感に訴えかける魅力はない。そういうのをデザインで言えばバッドデザインなのである。
それとリアルデザインと言えばサザエさんのキャラをリアルにした作品を日本のアーティストが作っていたがリアルだけどやっぱりアニメキャラをリアルにするとどこかモンスターっぽく見えてくるのである。リアルさは魅力を半減させちゃうことがあるという例だ。
これらはすべてアーヤと魔女も含めてアーティストが下手なわけではなくリアル作ることがうまいんだと思うんだけど、リアルさをはぶくべきかどうかのバランスを考えないとアーヤと魔女みたいに面白みがない、サザエさんのちょっとグロく見えるリアル波平になっちゃうということなのである。嫌いじゃない。

リアルチョッパーもなんか違う感がやっぱりでてくる。

でもリアルアスカはかわいい!顔のパーツのバランスもいいし色合いもいい。

不気味さえ言えばアーヤと魔女のCGの虫とか人形とかも冷たいCGルックのせいで不気味に見える。今までのジブリの雰囲気と大きくかけ離れているのには悲しい部分ではあった。フル3Dだとピクサーとかと比べられてしまうのはしょうがないのでそのクオリティにならないいと、中途半端感がでてなかなか認めてもらえないんじゃないかと思う。特に海外のジブリファンには。

まとめ

色々あーだこーだと言ってきたがジブリ作品は好きなのでまた3D作品を作ってもらいたいと思う。客観的に見ると色々文句を言えるのに自分で絵を描いたりするとなかなか変なことに気づかなかったりするのはあるあるなので、ジブリ初3D作品としてプレッシャーもありまわりに評価してもらう余裕がなかったのかもしれないと思ったりもした。日本の3Dや実写は思った以上に残念と海外で評価されてしまったことは悲しいけど、日本は2D作品はうまいし昔から2D作品が多いのが日本だから3Dや実写は下手でも強いがあるのだから気にすることはないと思う。それに3D作品を作ろうとしたことは面白いチャレンジだし今が変でも今後は良くなると期待したい。

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