面白かった映画ハッピーデスデイの監督が作った映画ということで気になって見た映画だ。
ハッピーデスデイを知らない人はネタバレレビューを書いているので気になる人はチェックしてみるといいだろう。
【ネタバレ・感想・考察】ハッピー・デス・デイ/Happy Death Day 爆笑!激かわいい!最高なホラーコメディ!いや、ホラーコメディの次元を超えている
ザ・スイッチの最初の感想は
「ぎょぎょ!グロい」
だった 笑
グロいけどハッピーデスデイのようなさわやかさや綺麗さもあり見ていて楽しい映画だった。本格的なスリリングさやサスペンスより薄っぺらくてもどこかゲームのような楽しさがあり好きな人には楽しめるに違いない。
色使いもホラーでありがちな暗い雰囲気だけでなくかわいい色も使われていて、またそこがオシャレな印象やカッコよさを感じさせてくる。
例えば不穏なシーンだけど光が綺麗なシーンやピンク色の室内のシーンだ。
さらにエンディングもかわいい雰囲気がありながらグロものを見せてくる。グロが苦手なのにかわいいものを受け入れつつも「うげー」とか思いながら見ていた 笑
今回の映画のメインとなるのは犯人と主人公が入れ替わってしまうことで「君の名は」ホラーバーションのような話だ。ただ「君の名は」と違うのは入れ替わった人が高校生と中年のおじさんだったということだ。見た目はおじさんなのに10代の女の子を演じているのはクスってなったし、反対に主人公の金髪の女子高生ミリーは入れ替わった後に雰囲気や表情が大きく変わって「え、こんな違うんだ!」って驚いたし危険な犯人なのにちょっとカッコよく見えたりもした。でも女の子に入れ替わるとやっぱり力が弱いみたいで犯人の思うようにいかないのもコメディなのかなーって思いながら見ていた。
ミリーの体になったけど力が弱くなって投げられる犯人↓
さえなかった主人公ミリーが入れ替わってかっこよくなっているのも良い。
女の人みたいな驚き方をするおじさん。この方はヴィンス・ヴォーンという人で役者でもありコメディアンでもある人。アメリカではファンもいてこの人がいるからこの映画を見るという人は必ずいると思う。なのでこの映画の俳優を知っているか知らないかで大きく印象が変わると思う。いくつも作品に出ているが例えばミッドサマーのフローレンス・ピューも出ているファイティング・ファミリーに出演している。ヴィンス・ヴォーンっていう面白い人が面白いことをしているというだけで見る価値はあると思う。
体の大きい力のあるおじさんなのに可愛くて、カワイイおじさんをゲイみたいだ、女々しいと思う世の中はなんか変だなぁと思いながらも楽しんで見ることができた。
話をザ・スイッチに戻して、このホラーコメディなのにホラーとサスペンスと思って見た人はつまらないと思うだろう。でもホラー映画好きの人が見てもホラー映画のパロディ、あるあると思えるシーンもいくつもあって意外と楽しめるんじゃないかと思う。例えば映画で「THURTH DAY THE 12th」(12日の木曜日)というのが出てくるけど、13日の金曜日を明らかに示唆しているし13日の金曜日が危険な日なので12日の木曜日は犯人とミリーが入れ替わる前ということだ。
オリジナルの映画Friday the 13th↓
ミリーがチェーンソーを使うのも犯人がマスクをつけているのも「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスだろうし最初のシーンで金髪の子が壁に突き刺さられて殺されるのもパロディである。
犯人はレザーフェイスのようなマスクをつけている↓
安っぽい感じの赤い文字のタイトルの昔のホラー映画みたいで嫌いじゃない。
学校もどこか昔の映画風で監督のホラー好きがわかってくる。FREAKYはザ・スイッチの英語のタイトル。
舞台となる学校も昔のホラー映画っぽい雰囲気があったのもいい。例えば建物の概観などが雰囲気があると思う。
一応、不満だったところもある。
ゲイの演出が嫌いではないのだけど、どこか露骨過ぎるというかゲイを強調した内容になっているようにも見えたり見えなかったり。ゲイをわざわざ映画をコメディにするためのポジションで使っているようでなんかしっくりこない。ハッピーデスデイでもゲイは出てきたけどあまり強調してはなかったと思し楽しさや感動がたくさんあった。ザ・スイッチはコメディだからオッケーと言いたいところはあるけどなんかなぁって感じ。
例えば黒人のダニエルという人が抱えている黒いダックスフントがいてゲイのジョシュア が「I love your black wiener.」 という。Wienerはウインナーのことだけどダックスフントのこともウインナードッグとアメリカでは言うらしい。そして男性の股間のことも別の意味であると思う。これをわざわざゲイ役の人に言わせることがゲイのイメージを僕の中で下品にしていくので良い印象ではない。まぁアメリカ映画だから下品の基準が違うからいんだろうけどね。ここはクスってなるシーンだろうけど、あんまりいい気持ちではなかった。
下品と言えばアメリカ映画で「グッドボーイズ」というものがあった。子供たちが下品な道具を知らずにおもちゃにしてしまう映画だけど、アメリカ映画だからと思って不満はありつつも受け入れて見た映画だった。
そして同性でキスするシーンが2回、ゲイじゃなくストレートなんだと話したりするシーンがあったりと同性愛を目立たせているのがわかる。
見た目なんて気にしないとミリーに恋する男の子はおじさんの体になっているミリーにキスをする。僕は「えええ!見た目おじさんだよ」って驚いた 笑
無理やキスされて嫌がるゲイのジョシュア↓
最後には犯人とミリーが入れ替わり元に戻ったあとにゲイのジョシュアが警察が来たときに「撃てー」って叫んでいいとこどり。ゲイが目立つ映画だった。
それと一部レズビアンとベジタリアンについてサラッと映画で見せるシーンがあったけど、なんか違和感しかない。アメリカ映画はポリコレでマイノリティーを含めないといけないのかなーと想像するけどちょっとそこを重点的に見せすぎている気がする。
これらは監督が同性愛者らしく、10代の頃に自分が女性だったらいいのにと思った経験があり、その気持ちが映画に込められているんだろうなと思う。だとしても男性が女性のように振舞って明らかに笑いと取ろうとするのはいい気持ちはしないはず。これについては監督もいい気持ちはしないと言っている。嫌なことだと感じながらもそれでも映画に含めたのには理由があるのだ。今回の映画は魂の交換によって人間の成長があることに注目した映画ではあるらしい。監督が若いころに同性愛で苦しい経験をしてきたらしく、ゲイとして成長して自分が変わっていくことを映画に込めているのだ。そのため差別的だと批判するのではなく監督自身を投影しているため現実は差別も嫌なこともある、だけどそんなことも含めて成長していくことが大切なんだというメッセージなんだと僕は理解している。差別されてきて人間不信になったとしたらそれを解決するには差別に向き合わないといけない。女性、男性不信になったら女性、男性に向き合わないと最後は解決しないのである。そんな心の向き合い方が映画にはあったんじゃないかと感じる。
ただねぇ、色んな色を使ってかわいくオシャレに見せることとゲイがリンクしているのが個人的にはとてもステレオタイプな気がしてしっくりこない。とくにアメリカと日本人ではゲイの定義が違い、ゲイのジョシュアのように眉毛を整えてたり、オシャレとは思えないけど一応オシャレをしているジョシュアを見て日本人男性ならゲイにはならないだろうけどアメリカではゲイになる。このギャップに違和感しかなくこんなのゲイっていうのなんか変と思いながら、まぁアメリカ映画だし監督の生きてきたアメリカではこれがゲイなんだろうからと理解しながら見るしかなかった。
ポリコレを意識するならアジア人がいなかったのが気になったぐらいだろうか。スパニッシュ系の女の子は出てきたけどアジア人がいない。気にしないけどね。でもポリコレを気にしすぎたらアジア人がー黒人がー、ゲイがーとか言い出して面白くなくなるからハッピーデスデイみたいなサラッとしている程度が良かったかなーと思う。
ちなみにスパニッシュ系の子もかわいい!
それとゲイとは関係ない話だけど、映画の最後が意味がわからなかったということだ。死んだはずの犯人が死んでなかったのか突然ミリーの家に現れてまた殺そうとするが家族にボコられてミリーに刺されて死んでしまう。いったいなんだったのか。まぁそれでも面白いからいいか。
総合的には「ザ・スイッチ」は面白かったし見てよかった。学園物でかっこいい金髪女子高生とスプラッシャーという組み合わせは間違いなく面白い。コロナで暗い世の中なのでちょっとクスってなるぐらいの映画は必要だと思うので今の時代にあった映画なんじゃないかと思う。雰囲気良し!笑いアリ、恋愛アリ、恐怖アリ、成長アリ、キャストもかわいい楽しい映画。
グロかったけど 笑
グロが苦手な人は気をつけて見たほうがいいかも。