【感想】トールキン 旅のはじまり

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ロードオブザリングなどを作ったトールキンの伝記映画。僕はトールキンのことをあまり知らないしロードオブザリングもどんなのか忘れていたけど気になったので見た。見た感想はトールキンって空想家だったんだ、第一次世界大戦中も空想できてすごいって思った。トールキン関連の本を見ているともっと面白かったのかなって思うのでトールキンの本も読んでいない僕はトールキンの奥深さにを知ることがあまりできなかったと思った。それと映画だけではトールキンがどう言葉に魅了されてどう芸術を大切に考えていたのかなどは深くは分からなかった。カトリック教徒でもあったと言われるトールキンだけど宗教要素があまり映画では出てこない。映画は友情と言葉の世界がテーマだと思う。

分かったことは戦争体験が映画に影響を与えていてロードオブザリングなどの敵は戦争当事の敵であり、トールキンが大切に思っていた仲間ということはロードオブザリングにも反映されていると思う。

映画ではトールキンの仲間達の友情が描かれている。この仲間はロードオブザリングに影響を与えていると思う。
トールキンのシーン↓

出典:IMDb

ロードオブザリングのシーン↓

トールキンが恋したエディスとのデートでもリングが出てくる。

出典:IMDb

戦争中にドラゴンが現れたような幻想がトールキンに見えるがそれは火炎放射を放つ敵兵の攻撃だった。

さらにトールキンが立ちあがり戦場を見渡すとまるでロードオブザリングの敵サウロンが現れたようなシーンが出る。

出典:IMDb

トールキンはたくさん絵を描いていてファンタジーが本当に好きだったんだと思う。

出典:IMDb

戦争の壮絶なシーンも映画では見せている。地でできた池。

出典:IMDb

アートの力を信じていたトールキンとその仲間たちだけど戦争に行かなければいけなくなったのは非常にかわいそうだった。戦場に行って戦った経験があるからこそ友情と戦いをテーマにしたロードオブザリングができたんだとわかった。親は早く死に愛に飢えていたのかもしれない、友達を戦争で無くし友情に飢えたのかもしれない、それらすべての悲しみが戦争だけど友情と愛が溢れるロードオブザリングになったんじゃないかと思ったし、死んだ仲間達をファンタジーの世界だけでも生き続けさせようと思ったのかもしれない。そう考えていると血みどろの戦争体験がという血塗られた真実の伝承というのがトールキンのファンタジーにはあり切なく悲しかった。こうやって形を変えて真実が隠されているファンタジーが世の中に残っていくのを見ているとそこに伝説や神話を感じてくる。ファンタジーだけど友情で繋がっている4人がいたんだという伝説。まるで天空の城ラピュタのおばあちゃんが伝える昔からのおまじないみたいだ。海外でも誰もトールキンのファンタジーを歴史の真実の一面が見れる作品という位置づけでは取り上げないのできちんとトールキンのことを調べて心理分析していけばそういうことが見えてきそうで面白そうだけど。次またロードオブザリングを見たら印象が変わるかもしれない。

トールキンを見た後に思ったのがアンパンマンとバカボン。この作品も戦争が元になっている。アンパンマンを作ったやなせたかしは要約すると「本当の正義の味方は戦うことより飢えた子供にパンを与えて助ける人で、そんなヒーローを作ろうと思った」と語っているように敵を倒すことより子供を救うことがアンパンマンに繋がっている。バカボンを作った赤塚不二夫は「これでいいのだ」とセリフからは戦争でいつ死ぬかわからない父親に対してそう思うしかないという気持ちが込められているのかもしれない。漫画にも血塗られた真実があるのだ。

トールキンは言葉を学ぶのも大好きでそれが空想を広げていたんだと思うと想像力には言葉が必要なんだとあらためて思わされた。
夢は現実になる、というけど言葉を知らなければ知らないこと意味のわかないことは想像ができない。言葉をたくさん知っていることは想像力が広がり生活の質の高い生き方ができることを意味していると思う。僕達は知識なんて頭に入れなくても電卓やインターネットがあれば問題ないというけど、それは半分正しいかもしれないけど言葉は頭に詰め込んだほうが想像力が高まるから覚えることも重要だと感じた。コンピューターは想像してくれない。

何故トールキンは不幸なことがたくさん続いているのに芸術を信じて空想を考え続けられたのか、と考えるとそれは言葉をたくさん知っていたからなんだと思う。親が若い頃に死んでもお金がなくても友達が死んでも絵を描いて小説を作り上げることができたのは絶望に陥れば作ることはできない。でも絶望せず前向きに生きられたのも言葉をたくさん知っていたからことなんじゃないかなって思った。
世界中で自殺率というのは上がっていると思うんだけど想像力の欠如は少なくとも関係していると思う。特に若い人の自殺が多いと思うのでまた言葉数が少なく想像力を高めて不幸にならないようにすることが出来なかったんじゃないかと思う。テクノロジーの発展が人の成長より早くて人の想像力が形成されるまで人のほうがダメージを受けてしまうのかもしれないし、言葉をコンピューターに頼りすぎて想像力をコンピューターに捕られているのかもしれない。

ちなみにトールキンの彼女であり妻エディス役のリリー・コリンズが綺麗!

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