傷つくことは弱さではない

フィリピンの友達と話していたことである。アメリカにいるフィリピン人ではなくフィリピンにいる友達から聞いた話である。
フィリピンでは学校に行っても教科書を買えない人はたくさんいるらしく教科書が買えないぐらいで恥ずかしいことにはならない。でも必要な教科書が買えなくてとても悲しかったことがあったらしい。家族を貧乏とも思っていないけど中流までいかない気がしてお金がなくて辛いことはあるらしい。

教えてくれたのがアメリカのソーシャルワークの研究者ブレネー・ブラウンがTEDで語っている「傷つく心の力」という講演。

The power of vulnerability | Brené Brown

彼女が講演する内容にとても共感するとフィリピンの友達は教えてくれた。
傷つくことや弱さをというのを悪いことだと考えがちで今の世の中フィリピンでも完璧を求めようとする考えはあるけど弱点はけっして悪いことではない。そもそも完璧にできない人も多い。
フィリピンの文化では大学を卒業すれば弟や妹の学費を卒業した子供が助けたり親にお金を支援することは当たり前にある。弟がパソコンを持っていれば弟が大学に行く姉のためにパソコンをくれたり、お金をたくさんかけられない家庭は多い。父親は農家をしながら建設関係の仕事をアルバイトで働いているし母親は主婦で働いていないらしい。
経済的に苦しい局面が何度も人生であったけど家族は弱さでもあるし、それが強さでもあるんだって教えてくれた。

フィリピンの友達だけでなくどこの国でもどんな人でも傷つくことを恐れて、それを隠したり完璧に振舞おうとする人はいる。SNSを見れば自慢をする人が多かったりインスタグラムでは良さそうな写真しか見せなかったりするのは心の弱さの表れ。弱さを受け入れることで強くなれるという話しである。

フィリピン人の友達は経済力の無さを受け入れてそれをバネにして強くなろうとしていると思う。20代なのに親に家を買ってあげられるように20代でなるって言っていた。フィリピンの住宅価格は高級住宅でなければ20代でも購入できる可能性はあると思うので友達に夢は叶うかもしれない。

でも話を聞いていて思ったのがブレネー・ブラウンのソーシャルワークの研究ってアメリカの話でアメリカ人がどれだけ自分の弱みを出したくないかに関係している話なんじゃないかと思った。フィリピン人の多くは弱さを出したくないんじゃなくてすでに弱いという立ち居地があるからちょっと話が違う気もする。

アメリカでは本当に弱みを出したがらない人が多くて男女ともに強くならないといけないという強迫観念みたいなのがあると思う。男性は筋肉、見た目も男性らしくが強さの証みたいにステレオタイプの人がたくさんいると思う。謝ることをしたがらないアメリカ人が多いというのは聞いたことある人も多いと思う。黒人が黒人を悪くすぐ思うのは差別だっていうけどそれも弱みをだしたがらないことから来るんじゃないかと思う。黒人は差別されて経済的にも不平等の歴史があるんだから弱みを認めてハンデがあることを受け入れてそれをサポートしてもらうようにすればいいのになかなかそうはいかない。

映画ブランドスポッティングが見せる盲点というも弱みを見せたがらないことで見えなくなっている部分があるんじゃないかなって僕は思ったりもする。
アメリカでものすごい数の人が中卒でしかも犯罪も他国に比べて多く、銃の乱射が毎年あるのは弱みを受け入れていないアメリカがいるからじゃないかなって思う。

フィリピン人の友達にアメリカ人の考えとフィリピンの人の考える弱みが強いは違うんじゃないかなって話したら納得していたし。もっというならフィリピンはお金に目がくらむ人が多すぎるんだと思う。フィリピンの大統領も中国マネーに目がくらんじゃっているわけだし、弱みは強みだということを受け入れすぎると本当にただの弱みになりそうな気がフィリピンに中国資本が入ってくることに対して思ったりする。友達は経済的に苦しくてもそれを受け入れずに頑固に生きるより受け入れて強くなろうとするのは素直だなぁって思った。

フィリピンって大学にいけない人も多いけど大学にいける人でも貧乏な人が多いそうだとは前々から思っていたけど友達の話を聞いているとやっぱり多いんだなーって思ってきた。大学もたくさんあって私立の大学じゃないケースだとさらに貧乏な人な可能性があるんだと思う。別の友達だけどフィリピンの私立の大学に行っている友達はフィリピンでタレントもやっているって言っていたか見た目にお金をかけられる余裕があるんだろうなぁ。

傷つくことは弱いことじゃないって思いたいフィリピン人の事情を考えるとカトリックが多いフィリピンで救いを求めるかのように思えてくるからなんか切実だなぁ。

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