実話を元にした映画で、事故で下半身が動かず、手も思うように動かないということになってしまったけどアメリカのアニメキャラ(カートゥーン)を描いて成功した話。
正直言ってあまり面白くなかった。確かに足が不自由になっても稼ぎながら生きていた人がいるということが人に勇気を与えることなのはわかる。しかし映画としてみる場合、面白くなければ利益もでないのでは意味がないのと思う。Wikipedia によると制作費は7億5千万円 興行収入は3億9千万円ということで赤字のようである。
感動する話のはずなんだけど感動あまりしなかった。
この作品が面白かったという多くの人は俳優のファンなどが多く、日本人にはなじみのない人が多いのではないかと思う。
映画を作った監督はガス・ヴァン・サントという人で作った作品のPromised Land、My Own Private RiverThe、Restlessといった映画で大当たりを出しているので人気になる映画を作る力はある人なんだろうけどドント・ウォーリーについては残念である。もっとどう体が不自由になっても絵を描いて生き抜いたことがどうすごいのかをドラマティックに映像にしてくれていたら面白かったかもしれないのにあまり深く説明しているわけでもないし、見る人があっと驚くようなことが仕組まれているわけでもない。
ガス・ヴァン・サント↑
漫画、絵を描いて生き抜いたということでどんな絵を描いていたのが気になっていたのだけど、その絵もあまり魅力的に見えない絵で本人に悪いのだけど何がそんなに魅力的だったのだろうか?と謎になった作品だ。まぁ日本で好まれる絵がアメリカとは違うのでしょうがないのかもしれないけど。
映画に出てくる絵は下のようなもの↓。
どこかファミリーガイにも似ている絵のタッチ。ファミリーガイ ↓
ちなみにファミリーガイはアメリカでは大人気のカートゥーンだ。
麻痺が残りご飯を食べられないから病院でお年寄りの看護婦さんに食べさせてもらっていることろだけど、丁寧に食べさせればいいのにしかも豆じゃないほうがいいと思うのに豆を食べさそうとしてボロボロこぼす。これはもしかしてアメリカンジョークなのか?
本人の若い頃の写真が最後にでてくる。
そしてユーチューブに本人へのインタビュー動画がある↓
カートゥーンを描くということが政治的や差別への風刺として使うのが当たり前にあるアメリカ。ビデオの内容も風刺や差別、政治が本人がしていることを説明している。
ジョークがあまり面白くないのはアメリカンジョークに疎いだけなのか、政治的な風刺のジョークに疎いだけなのか、よくわからないがどうしても声をだして笑えるような場面はなかった。絵を見て喜んでいる人の一人↓
日本の漫画家とアメリカのカートゥニストを比べて何か面白い発見があるかと思ったがあまり無かった。風刺漫画と言われていたから気になったのに、マンガではない。マンガと言えばコマわりがあり、少なくとも4コマで描かれているようなのがマンガで、一ページに絵を描くスタイルはイラストや絵師という分類だと思う。マンガって一つのジャンルに海外ではなっているからこのアメリカのスタイルの絵を見てマンガというのは違和感があると思う。マンガは日本のやり方にそうことでマンガとなるわけで、ジョンの絵は風刺マンガというより風刺カートゥーンもしく風刺絵とただいうのがいいのかもしれない。
この映画で見せるジョンはどうしても日本の感覚から離れているため変な人に見えてくる。新聞に本人が掲載されたときその新聞を歩いている人に見せびらかしまくっている。↓
ほかになんでこんなことするんだろうって思ったのが部屋でビニールを広げて裸になった状態で体を洗っているところ。意味がわからなかった。なんで風呂場じゃなくて部屋の中なのか。そいうこともするんだと思えばそれでいいのかもしれないし、そういうのもアメリカっぽいと思えばいいのかもしれないが日本の感覚で見てしまうと意味がわからないと思うことが多いかもしれない。映画ではいくつかセクシュアルなシーンと本人が洗われるために裸になっているシーンがある。セクシュアルなシーンは障碍者だからだろうか、いやらしさがなかった。
映画からすばらしい人だと思い、感動し学べるものがあればよかったのだけど、障害者となったジョンは世の中が嫌いになっていたんじゃないかと思う。やるせなさというかどうしようもない何も出来ない自分がいて、そういう気持ちから権力や何かの問題をディスることを絵で表現しているようになったのではないかと僕は思った。どうしても風刺はどこか攻撃的なところがあるので
Wikipediaによるとジョンの死は床ずれを直す手術後に死亡している。理由としては合併症、呼吸の問題があったとされている。
麻痺により体が動かせない場合、床ずれになりやすいと思われる。床ずれは重度の場合は細胞が壊死して死の危険もあるらしいのでそれが原因なのかもしれない。体が麻痺している人の健康を良好に保つのは難しいのだとWikipediaを見て思った。映画では内容が表面的で薄いと感じるので感動も、学びも少ないものとなっていると思う。
その結果興行収益も赤字という人気のなさにも繋がっているのではないかと思った。
誰しもが成功できる可能性があるアメリカの行き方は素晴らしいとは思う。カートゥニストになる予定もなかったジョンはカートゥニストになるための勉強をしたわけでもないと思うし、ただ絵で社会をディスったことが風刺として面白がられ人気になった。その皮肉やディスりに対してアートや絵や政治を専門に学んできていなかったジョンに深い考察があるとはちょっと考えられないが、そんな深い考察なんてなくても権力者や問題を皮肉って面白ければよいというメッセージを感じられた。
アメリカでジョンは人気だったのだから、もっとジョンの面白さを映画で伝えてほしかったと思った。僕もその魅力を知りたいと思っていたけど映画を見ていてあまりそれが伝わってこない。