アメリカは不景気 OPTの闇

OPTは闇だらけだ。留学前に知ってたほうがいいことがたくさんあるのにOPTが複雑でなかなか留学生には分からないことが多い。
多くの留学生が夢見るアメリカでの就労は実際には叶うことがない。
なぜ夢と現実にギャップがあるのか?
それはOPTを取り巻く複雑な仕組みがあるのである。
OPTの闇からの考える景気後退の話である。

OPTの闇1:OPTはベネフィットじゃなくなっている

OPTは留学生が大学を卒業した後にもらえるベネフィットだ。卒業後に労働経験を積めるから意味があるのだ。
しかし実際には卒業後にOPTで仕事に就ける人は少ない。そのため違法な労働や学校に嘘の報告などをして仕事しようとしている人が意外といる。

昔はなんでも仕事をしてよかったのが今では専攻に関係しているものしか仕事をしてはいけなくて学校とUSCISに報告しなければいけない。監視されているのである。

留学生の多くは卒業後に労働したいと思っているのに実際は労働できないのはOPTの制度や留学生の認識とアメリカの大学側と大きく取り巻く歪みのようなものがあるのではないかと思う。

その理由には

  • OPTは複雑なのに明確に仕事に就ける人が少ないことを大学側も曖昧に言っている。
  • OPTは研修できる特典であるのに優秀な学生でも研修できない状況にある
  • OPTの制度自体が時代遅れ

というのがとりあえずあるように思う。

法律はこの歪みを訂正する必要があるのにOPTの留学生は知識がないことや英語のハンデをいいことに都合よく使われている気がしてならない。

もともとOPTは留学生に母国では得られない経験を与えるためにあるものなのに現在はその経験が得られないのである。昔と今の状況が変わっているのだ。

そして意外と気づかないのが大学卒業後に仕事を見つけられる時期の平均は6ヶ月ぐらいと言われているが、留学生は卒業後3ヶ月以内にみつけられないと帰国になるのだ。すでに無理ゲーだというのがわかる。これは制度と今のアメリカの就活にギャップがあるということだ。
大学側だってこのような話をしてくれればいいのにしないわけだし専攻によって仕事は見つからないという言うけどそれは見つかりづらいとか言う話ではない。限りなく見つからない状況にあるのである。

ちなみにOPTは70年ぐらい前から規制され続けてきた歴史がある。1年学校に行けばもらえるというルールも約50(1977年)年前に短縮された形なのだ。現在まで何どもOPTの制度の変更があったけどこの1年ルールは変わっていない。しかし誰しもが1年で研修できるような状況に今のアメリカにはない。

これは景気が悪くなっているアメリカの景気政策のしわよせがOPTの学生にきていると思っている。OPTには常にアメリカ国民の雇用を守る規制を作ってきたと思うが現在の景気はOPTが特典と思えるほどのものではなくなっているように感じる。

留学生はあまり文句を言わないし、というより文句を言えない人が多しお金を落としてくれるのでOPTの制度の専攻をアメリカ国民の景気政策に都合よく使っているんじゃないかとは勘ぐってしまう。

OPTの闇2:OPTで誰でも仕事が探せるわけじゃない

OPTの学生の専攻でコンピューターサイエンスなどのIT関連で働ける場合は仕事を見つけやすのは知られた事実である。
それ以外の専攻は見つかることもあるけどほとんど見つからないと思うのが正しいだろう。
需要と供給の問題でIT関連は需要があるから仕事が見つかるのは当然の理由である。
それでは、今雇われづらい分野の需要が高まれば留学生を雇う可能性が高まるかというと実はそうではない。
もちろん需要が高まれば留学生でも雇おうと考える企業もでてくるだろうしバイトぐらいなら今より見つかるかもしれない。しかしそれでもなかなか留学生を雇えない理由があるのだ。

それはSTEM関連以外の専攻では1年しか労働させられないためどんなに景気がよくなっても今の法律では企業は長期的に雇いたいのに法律上それができない留学生を雇いたくないのである。もちろん全部の企業が雇いたくないと思っているわけではないだろうけど雇われづらいのだ。

IT関連以外の企業団体が積極的に留学生を長期的に雇えるように法律改正に向けて動かない限り留学生のほとんどは雇われづらい状況はこの先もかわらないと思ったほうがいい。

OPTは留学生に母国では得られない経験を与えるためにあるのためのものでフルタイムの経験を得られるわけではない。あくまでも研修程度が前提なのがOPTなのだ。そのため正規の労働者と同じ扱いではなく1年の研修で良いとされているのである。

しかしそれを変えてしまったのがマイクロソフトである。実は3年まで延長できるSTEMを作ったきっかけはマイクロソフトでIT関連団体が積極的にアメリカの法律を変えてOPTの留学生を研修生としてよりも労働者として雇うようにしてきたのである。
それのため現在でもSTEM専攻は仕事が見つかりやすいのである。
一応、STEMにも仕事が見つからずに帰国する学生もいるし今のIT従業員の大幅リストラなどからSTEM学生も厳しい状況にあるとは思うが、昔から企業が積極的に採用したい土台がSTEM専攻にはあるのだ。今後も法律が変わらない限り3年の延長できる権利が与えられているのである。

このためどんなに厳しくても努力すれば仕事は見つかるとOPTに夢を抱く留学生は労働できない現実に直面し慌てるのである。IT関連以外でも仕事が見つかるという甘いものではなく制度と景気と留学生を積極的に労働者として考えていない理由で努力しても限りなく無駄なのだ。

OPTの闇3:アメリカは留学生にとっては超不景気

アメリカの失業率は3.6%と言われているがもっと高いんじゃないかと思えるぐらいアメリカからは活気を感じない。

アメリカ全土の労働者の30%ぐらいがフリーランスだという。そして忘れてはならないのがフリーランスは仕事がなくて仕方なくしている人は潜在的な失業者の可能性がある、ということである。

アメリカの失業率には仕事探しを諦めた人は含まれていないのと4週間以上仕事をしていない人もカウントしていない。それにはホームレスはカウントされないし大学卒業後に仕事をしたくても何ヶ月も見つからない人も含まない。そのためフリーランスや大卒の潜在的を失業者を失業者にカウントするととんでもない失業率になるんじゃないかと勝手に思っている。30%以上の失業率があるのではないかということだ。

アメリカでは卒業後の学生の失業率は50%を越えてるというのも驚く事実がある。卒業後は仕事を探していない人が多いので失業率にはカウントされないが、それは仕事を探していないというよりも仕事を探したくても見つからないから仕事探しを諦めているということもアメリカの現状にあるのだ。職に就けている50%もまともな職に就けているかわからないので潜在的な失業者の可能性は十分にある。アメリカ全土の労働者は1億6000万人でアメリカの大学卒業生はざっと言っても年間4百万人ぐらいで失業率に1%も影響はないけれど毎年卒業している数を合わせるとかなりの失業者になるんじゃないかと思う。

アメリカでは大学卒業生が仕事を見つけるまで厳しい道のりがあるのだ。

アメリカ人でさえコネないと仕事がない学歴も高くないといけない、さらに専攻に関連した就労経験も長期的にしていないと書類で落とされる。仕事を探したくてもフリーランスもできないし仕事なんて見つからないから諦めていると人も多いのがアメリカだ。
コネは実力というがコネはチートでしかない。なぜならフェアでないからである。でもチートが悪いなんて思わないけど問題なのはコネ以外で仕事を見つけやすい環境があるようで実はないのがアメリカなのだ。中途採用で力のある人はコネがなくても意外と仕事が見つかるらしいけどエントリーレベルではとんでもなく難しい。これが問題だ。だからアメリカはチート社会だと思えるし不景気が加速していくのだ。チャンスを与えるようで与えないならコネ(特権)がない人には底辺から脱出できない。しかも留学生が置かれている状況はアメリカ人よりも厳しい。

表向きにはアメリカは失業率が低く、景気は悪くなく、給料が良くて派手なイメージがある。
そして留学生の数はコロナ以降回復しつつありOPTに申請は増加しているという。
しかし、OPTの申請が増加していることと景気が良くなっていることを結びつけるのは難しい。コロナ中に仕事が見つけられずに大学に行きなおした人が申請するように同じ人が仕事を見つけるために頑張ってアメリカに滞在し続けている可能性もあるのだ。そのような人が増えるとOPTの申請も増加していくのは当然だ。それにOPT申請者がどれだけアメリカに滞在できているかも不明確で、さらにまとまな研修を受けられずに違法労働や嘘を言って滞在している人も含めるとまともなOPTでの滞在者は少ないかもしれない。

周りをみるとボロボロの車やボロボロの家、州にお金がなくて道路も整備ができないしホームレスも増加、車庫が欲しくても家を改造できるほどお金の余裕がない家庭の多さ、教育コストの増加にインフレによる物価の増加、企業にとりあえずやとってみるかという心の余裕のなさとエントリーレベルの仕事の少なさ、複数の銀行の破綻。

この状況についていけなくて苦しんでいる人は多くいるだろう。アメリカは極度の格差社会でそれは底辺から脱出できない人が多くいることを意味しているんだと思う。クビや転職が多いアメリカだけど同じ業界で仕事を続けないと底辺スタートになるため、アメリカ労働市場は流動性のあるように見えて実は固定化されているんじゃないだろうか。

ディズニーのズートピアでは「何にでもチャレンジできて何にでもなれる」というのにお金もコネもなければ夢物語にしかならいのである。しかも留学生はなんでも働けるわけではない。映画の見せるアメリカの良さはすでに過去のものなのかもしれない。

そもそも景気が良ければコネや学歴がなくても仕事があるはずなんだけど、アメリカの超コネ社会、超学歴社会は景気の悪いさの裏返しなんじゃないかと思える。

このような状況からはOPTの留学生はかなり仕事探しが難しい状況にあると言えるのではないだろう。アメリカ人にとっては景気は「まぁ良くないレベル」が留学生には「絶望レベル」なのだ。留学生の就活の厳しさからアメリカは超不景気なんじゃないのか?と思えてならない。

OPTの闇4:留学生はマイナススタートが当たり前

留学生は卒業後にアメリカ人と同じスタート地点にはほぼ立てない。

アメリカ人は自由に仕事を選べ何にでもなれる可能性がある。もちろん畑違いの仕事はやろうとすると底辺スタートになるのはアメリカ人も一緒だけど留学生はマイナススタートだ。

アメリカ人は英語でのハンデもなく長期的に働けるので企業の懸念するリスクはほとんどない。

留学生は専攻に関係していないと仕事はできないし3ヶ月以内に仕事を見つけないと帰国である、なのにエントリーレベルの数は少なく応募をしても書類で落とされるのがほとんどである。英語も中途半端で長期的に働けない留学生を雇いたい企業を探すのはものすごく大変なのだ。

成績が優秀でも専攻に関係している就労経験も豊富にないといけない。留学生で就労経験まで作れる人は多くはない。学校が用意したインターンができるクラスを取れれば一応就労経験が手に入るが十分ではない。

雇用されるには雇いたいと思われる必要があるけど留学生は雇いたいと思われない条件が揃っている、だからこそマイナススタートにならないように欠けている能力を補えばいいというけれどそれも疑問だ。

  • ネットワークがない
  • 英語が下手でコミュニケーションスキルに欠ける
  • スキルレベルが低くて就労経験がない
  • 成績が悪い

これらがないから仕事がないという自己責任論をいうけれど自己責任論は強い人間にしか適応てきない考えだしみんなに当てはらまないのが当たり前だ。
制度上のおかしさと景気の悪いさを無責任にも自己責任論で隠そうとしているのである。
こんなの出来るのはスーパーマンぐらいだ。

昔は違うんじゃないの?それが答えだ。
昔はネットワークがなくても英語が下手でもスキルレベルが低くても最低でも研修が出来る程度の仕事があったのだ。

しかも、母国で就労経験を積んでアメリカの大学を卒業したときに十分な就労経験があってもアメリカのリクルーターや企業が就労経験として認めないという話があり、ド底辺スタートになるのだ。

これにはアメリカの就活事情も関係しているだろう。
アメリカの採用者はエントリーレベルの人を軽くみているところがあるのだ。嘘や大げさなことを言うアメリカ人が多いので厳しくチェックしあまり信用しないのが基本だ。
アメリカ人でさえ信用されないからなんとかうまく話さないといけないのに留学生でしかも他国の聞いたこともない会社の就労経験を信用できるとは思えないのだ。

けっして留学生の能力が低いわけではない。アメリカの就活環境が留学生にとって不利なのだ。むしろ優秀な学生は多くてOPTの規制がなければ仕事を見つけられる人はたくさんいるだろう。アメリカ国民を守りたいがためにOPTで留学生を締め付けるのである。

平等の精神が欠けているアメリカなのは言わずもがなだけど、自分だけよければいいというアメリカファーストなのがアメリカなのである。

つまり留学生は不平等な立場からスタートするようにアメリカではなっているのである。頑張っている留学生が報われない環境がアメリカには詰まりすぎていて、まるでOPTの学生を底辺に追いやっているいるようにしか見えない。

しかし、こんな状況でもアメリカでは留学生の数はコロナ前までは回復していないもののコロナ後に留学生が増加していることから今でもアメリカに夢を見てくる学生が多くいるんだと思う。

ちなみに日本は留学生に驚くほどサポートしているので日本国民をもうちょっとサポートするようにしたほうがいいんじゃないかというアメリカの逆の現象があるのだ。日本の外国人技能実習制度は問題だけどその問題を問題として動ける日本はアメリカよりマシなのかなと思えてしまう。

でも、アメリカには法の下の正義があり不誠実ということが嫌いな国である。OPT留学生のおかれている不誠実な状況をおかしいと認められればアメリカ議会は動くだろう。アメリカはそういう国だ。

そう思うのは過去にOPTの留学生が不当にも労働させられていることでメスが入っているからである。政治家も企業もOPTの現状に動かないところに個人が訴えて不等な労働を変えた事例がある。これがうまく機能しているかというとそれもちょっと怪しい。無料でも就労経験のために正社員並みに働きたいと思っていた留学生が働けなくなった可能性も十分にあるからだ。それは不当な労働だけどそれからチャンスを得てステップアップした人もいただろう。それもそのはずである、この訴えは留学生からのものでなくIT労働者が留学生が安く働くことでアメリカの雇用に悪影響を与えているというものなので留学生にとっては締め付けにしかならない。

有給であるべきなので、昔と同じように無給で働くと留学生は在留資格に違反したとみなされ国外退去しなければならないリスクがあるとも言われている。留学生は安全に就労するためのルールをしらなければいけないのである。それは適正な学生が雇用主に有益なサービスを提供している場合、学生は適切な就労許可を得るべきなんだけど雇用主が雇いたがらない現在の状況では就労できるチャンスがあまりないのだ。OPTとは実は不当労働を黙認して留学生にチャンスを与えていたのに今ではそれができなくなったのだ。それでも違法な労働をやっている人はいるけど。現状は留学生には法律に従った就労経験を見つけることが難しくなってきているのだ。

昔は無給労働で今ではそれが違法扱いで、でも今はまともに仕事がみつからないので不法労働があるということや、不法労働だけでなく不法滞在になりたくなくても知らずになっているケースも多くあるのでOPTの制度はがめちゃくちゃな印象がある。

そして不安にさせるのが過去にあったトランプのSTEM OPT廃止計画である。今後もSTEM 廃止はアメリカ議会に出てくるかもしれないのでアメリカでの留学生の将来は不安定だ。しかもSTEM OPT廃止だけなくOPT自体に現在の状況と制度が合っておらず不誠実な現実があるとすればOPTの廃止や大幅な変更もあるかもしれない。
その結果は今の景気の悪さとアメリカファーストの精神から留学生に良いものにならないんじゃないかと思えてくるのだ。移民を毛嫌い不法移民を今まで以上に取り締まるアメリカは本気で留学生まで「スーパーマン以外はいならい」、といったように制度を変更していくんじゃないかと思えてアメリカの将来には不安がいっぱいだ。

運とコネ頼みなアメリカファーストに傾きすぎているアメリカの労働市場は景気が良くて正常と言えるのだろうか?

まとめ

留学生がアメリカで就労するのはものすごく大変だ。
公表されている景気もアメリカの実態を見せているわけではなさそうだ。

アメリカ大学が見せるキャリアプランは留学生にはマイナススタートの留学生には当てはまらないと考えておくほうがよくて留学生は独自に入学前から卒業後のプランまでしっかり考えておく必要があるのだ。そうでない場合は卒業後にアメリカに残りたいと思う留学生は鴨ネギにされるのである。

鴨鍋ってうまい。

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