読書感想 ルポ 中年フリーター「働けない働き盛り」の貧困

本の内容を簡単に言うと非正規雇用の拡大が現在の貧困、ブラック、さまざまな原因だということである。

またこの本は2018年に出版されており現在の日本の状況と若干食い違うところもあると思うのでそれも含めての感想。

賛成点

本で述べられているようにざっくりというと現在中年が働きづらい世の中になっている。

「安定した仕事に就けない」

「頑張れば希望が持てるのではと頑張ってもダメ」

「妊娠解雇」

「結婚出来ない」

「非正社員が這い上がるには働きながら職業訓練できるトライアル雇用のような仕組みが必要では?」

読んでいて思ったのが中年は厳しい環境におかれているんだなぁということ。年齢でも就職が厳しくなり、結婚で子供が出来ると退職させられ、育休さえもまともにとれず安定という夢をもとめているけど一度決まった道からはずれると安定なんてなかなかない。ブラック企業も多く何年も傷つきながら働いて、仕事をやめてまた頑張ろうとしてもまたブラックで何回もつらいことが続くと仕事なんてしたくなる人が多くなる。悪い循環ができあがっている。企業もはっきり「誰が好んで中年フリーターを採用するのか」というらしいし。非常に中年には苦しい時代になったのだと思わされた。
筆者がいう「正社員を非正規社員に置き換え非正規のまあ縛り付けるような規制緩和は明確な失敗」というのいはその通りだと思う。

伊藤忠商事の丹羽元会長の主張も面白い。「余裕をもって働き、余裕をもって勉強する。それが生産性の向上につながる」「30代、40代の非正規社員でも努力すれば追いつくことができお金は後からついてくる。」というものだ。

余裕が無ければ人生について考える余裕もなく人生について考える時間がなければ働き気力も起こらない。ロボットじゃなくて人間なんだから。そして諦めないということなのだろう。

反論点

筆者は正規雇用になれる社会がいいと言いたいのはわかるが、非正規でも生き易い世の中にすることも大切なのではと思った。例えばヨーロッパ型の社会システムで転職しやすくするや年齢関係なくスキルでの雇用、転職経験が多いことを不利と扱わないとか。現在日本では終身雇用終了が宣言されているような状態だしスキルの無い人材を退職させスキルベースでの採用もしていこうとしているので、やめさせられた人も再度雇用されやすいようなシステムづくりをしないと結局のところ働けない人が増加するということになるのではないかと思った。転職が不利にならず年齢を考慮しないスキルベースでの採用がポイントなんじゃないかと思う。安定ってどの国にも作ることって難しいと思う。安定していなくても十分に満足に生きられるシステムが必要なんじゃないかなーと思う。それには雇用者の考えも変えないないといけないだろうから年齢とか転職とか気にする社会では難しいかも。

また非正規雇用でなく雇用されないフリーランスという生き方でも生き易い社会にするべきなにではと思った。現在日本の生活の仕方は昔以上に多様化していると思うので昔と同じような働き方を望まない人も多くいると思う。しかしなかなかフリーランスで働ける環境というのが整っていないのではないのではないだろうか。

新卒採用を良いと思う風潮はどんな企業もあるようだけど今後のスキルベースでの採用が増加すれば新卒採用は今までより減少すると思う。

フリーターや非正規社員のキャリア形成を示すプランがなさすぎるんじゃないかと僕は思う。それは恐らくレールをはずれた人にはのし上がれるプランが日本ではあまりないとされているからだと思うけど、そもそもスキルベースであればフリーターでもキャリア形成はできるようになるのでフリーターからキャリア形成した人や非正規社員でキャリア形成していった人のコミュニティというかウェブベースのQ&Aの解答のようなものを誰か作ればいいと思う。これはいわゆるオーストラリアなどのの学生や社会人が使うDeveloping Employ ability web site のようなキャリアの形成の仕方、仕事別の生き方稼ぎ方、すでに働いている人達からのアドバイスなどをまとめているサイトがあるが日本の就職とは状況が違うので使えないこともあるけど日本版のこのようなサイトがあれば恐らく情報が非常に多い世の中である程度の道を把握してキャリア形成ができる人が多くなるのはないかと思う。しかしやっぱり一番の問題は年齢で雇用を考える企業と転職回数が多いと問題と思う風潮だ。

また非正規社員が直面する問題は音楽や芸術で生活していこうとするアーティストたちとも似たような状況があると思う。アーティストたちも正規雇用というのはあまりなく非正規もしくはフリーランスか自分で稼ぐ手段を作るしかない。どうやってお金を稼ぐようになるのかを考えることはビジネススキルなため非正規社員に求められるの稼ぐためのはビジネススキルなのかもしれない。例えば音楽業界で稼げいる人は演奏家であり別の仕事もできるスキルをもっていたりでありマーケターであり研究者でもあるんだけど、常に勉強し研究し需要を把握し、自分のスキルを需要に沿ってスキルアップしITも勉強していくという人がいる。創作活動は実験の塊で研究なくして調査なくしてできない。常に安定などなく永遠に続く変化がそこにはるんだけど、そんなの強い人しかできないと思うだろうが好きなことをずっとしている人にはその変化も楽しいものだと思う。2019年現在日本では副業も解禁してきている企業も多くなってきていると思うが、メインの仕事とは別に自分の将来ために別のスキルを見につけ副業をしてみるのは働きすぎだとは思わない。そうはいっても本で紹介されているように仕事を三つも掛け持ちして働いても貧困というのはあまりにもかわいそう。非正規雇用の生きかたと考え方はアーティストのように生きることで将来のリスクを減らせるのではないかと勝手に思った。

非正規社員が正社員にいつかなれると思って頑張ってもなれない、しかも終身雇用終了宣言、役に立たない人はクビでもしやすくなるとなると、正社員になんてスキルがないと誰でもなれない黙って非正規で頑張っていてもなれない社会になるのかもしれない。スキルがないとなれないって美大、音大で頑張って練習してれば仕事に就けれるって思っている人が多いけど、頑張っても仕事できない人なんて卒業後たくさんいて仕事をかけもちしながら働く人も多いわけ。現実が見えないまたは知ることができない人がたくさんいて後で気づいてガッカリしても遅かったりする。それと少し似てて非正規だって頑張ってても正社員になれないっていうのはもしかしたらたくさんの統計を取れていてればたくさんの人の結果から答えを出せたことなのかもしれない。間違った夢を見てると後悔するから現実をしっかり見るようにできればいたいと僕はアートを学ぶ身としては思う。でも非正規が正社員になれると思っているのを裏切る形でクビにしやすい社会になることを怒る非正規社員って、また同じく美大音大で頑張ってれば成功するって思って入学して大学もそんな学生の気持ちも分かっていながらあまり学生をサポートすることもないのも怒れることだと僕は思うんだけどどうだろう。

諦めないこと、とは上の賛成のところでも触れたが諦めないとは非常に強い発言だと思う。諦めちゃったもうブラックに疲れちゃった人には諦めるなというのはつらい。諦めても這い上がれる社会システムが必要だと思う。それが可能なのが一例として誰がやめても会社が回り、決まった能力がある人なら誰でも働けるスキルベースでの社会なのかと。何をどう勉強すればいいのかと路頭に迷うこともなくなるし勉強しても勉強してもスキルアップしても給料も上がらないとかいうい理不尽さもなくなるだろう。一度諦めた人も次挑戦して裏切られるようなことが少なくなるのではないかと僕は思った。

それとちょっと馬鹿げているよに聞えるかもしれないが結婚ってお金がそんなにないとできないことなのだろうか?発展途上国と比べるのが間違っているというかもしれないが発展途上国の人の行き方だって参考にはなる。それらの国にはお金がないけど結婚している人なんてたくさんいるんだけど、その場合家族みんな子供のめんどうを見たり家族でお金のある稼げている人が家族を兄弟を助けるというのが当たり前にある。男性が稼げなくても女性が稼げればそれでいいと思うし、誰かが稼げれればそれでいい。稼げていない人は稼げている人をサポートすればいいのだ。日本の普通という水準が発展途上国より高いはずなのでその普通に合わせると給料が追いついてないから苦しいとなるのではないかと思う。
僕は生活水準を下げてみるのは悪くないと考えている。なぜなら僕はアメリカにいるけど明らかに日本より生活水準が下がっている。アメリカは先進国だけど日本より不便だし食べ物もおいしくないし、車がない学生には移動は大変だしUberでお金もかかるしと最悪。生活水準が下がる中でよかったのは見た目をきにしなくなった。テキトウな見た目の人が多い。他人のことばかり考えなくなった。自分がどうしたいかが大切。そのため近所のアメリカ人は騒がしい人が多い。迷惑なんて日本ほど考えていない。家賃だって日本より高いのにボロボロの家。でも日本よりかは広いけど、広さよりもっとしっかりした家に住みたい。教育水準もアメリカは移民社会だけあって日本より相対的に低いと思う。日本と比べて想像を絶するほどの犯罪も多く清潔感も日本人からすると恐ろしく汚いと思う人もたくさんいる。つまり生活水準は日本より下がっている。日本では多様な働き方、給料水準になっているのでアメリカのようにその人にあった水準で生きたほうが生き易いのではないかと僕は思う。けっしてホームレスまで生活水準を下げたほうがいいと言っているわけではなく、海外からすると日本の普通という水準は高いのでその水準を保つためにはお金も精神的にも大変なことだと思うのだ。生活水準を下げないといけないとは給料も上がらなく不景気ということ、不景気なのに消費税は上がるし出費は増えてるということ。徐々にだけど周りの食費も値上がりをしているということ。これらから生活水準を下げないとキープし続けていると給料も上がらない出費は多くなり自分への投資もできなくなるという悪い流れになると思う。
なんでも余裕がないといけないのだ。

今って1万円昇給するのも難しい時代なわけでしょ?ゲームで言えばクソゲー状態。何日やってもレベルが1上がらない。何日やっても強くならない。そんなの面白くない。そんなゲームはすぐにやめてしまう。そう考えるとずっとクソゲーみたいな世界で頑張って働くことはものすごい我慢強くないとできないと思う。社会システムはゲームがなぜ面白いものと面白くないものがあるのかから学べることは多いと思う。そこから良い会社悪い会社というのにもつながってくるかもしれない。ちなみに僕の考えでアメリカの労働環境が日本の労働環境のクソゲーのようになっていないのは何故かというと、みんな我慢強くないから。嫌ならやめるし会社もいい人を雇いたいからアピールするし、給料、休みに問題があればストライキ!でも社会は日本より過酷と言ってもいいほどの競争社会。競争社会だからこそ労働者も権利を勝ち取るために戦うし、貧困も激しいから犯罪も多い。みんな競争することをさせられるから停滞せずクソゲーになりづらいのだ。僕の勝手な考えだけど職業で求められるものも日本ほどレベルが高くない。なめているわけではないけどアメリカのサービス業なんでやばすぎてそれがプロフェッショナルの仕事かと思えることなんていっぱいある。だからと言って仕事につきやすいかというと違う。アメリカの人口も多いし働けるポジションが少ないと思う。供給と需要があっていない。そのため副業する人もいるし、転職は当たり前でスキルと経験がついてきて徐々にいい仕事に移っていく。

アメリカの社会もクソゲーだけど、労働環境は日本のほうがクソゲーだと思う。特に年齢が上がるにつれて転職できないや転職経験もよく思われない、妊娠すれば解雇という点。年齢や妊娠で解雇なんてアメリカでした大問題になるところが日本で大問題にもならないという経営者と労働者の権利意識の薄さがそこにはある。

経団連などの終身雇用終了宣言は今後はスキルのある人材、新卒中途区別せず採用していくという流れになるだろうから今中年貧困やニートという人でもスキルをつければ貧困から脱出できる可能性もあるということだろう。
しかし終身雇用終了宣言があるなら転職しやすい環境は整えないと貧困ってなかなかなくならないんじゃないかなぁ。

僕の感想をまとめると

・正社員にこだわらなくても十分に満足して生きられるキャリアアップできる社会システムなればいいなぁ

・普通という生活水準を下げる

・お金がなくても結婚できないなんて言っているのは特に日本で多い。

・現状はやっぱり諦めずに努力したほうがいい

・頼れる人がいれば頼る。

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