ユーチューバーが消滅する未来を読んだ辛口感想

僕は岡田斗司夫氏のオタクな話が好きなので、岡田氏の本のユーチューバーが消滅する未来というのを読んだ。面白かったし、その中でなんか納得できない未来の説明があったのでそれについて感想を述べる。

1:機械翻訳と音声認識の精度の向上により10年後は外国語を学ぶ必要は無くなるについて

機械翻訳などの精度の向上により外国語を学ぶ人は外国人の気持ちを理解したい人だけになると言う話。外国語を学んで外国人の気持ちを理解するのは一部の人だけでいい、という話には未来ではならないと僕は思う。現在、移民問題は世界中に問題になっており、自国の文化を、環境を守ることと、開国しグローバルにしていくことのバランスはとても難しい問題。
未来では今より移民が増えると考えるならば、移民は移民先の言葉を機械翻訳に頼らず理解し、移民先の人々の気持ちを理解できるように言語学習をしていかなければならないと思う。
そして、移民受け入れ先の国も一つの言語だけでなく二つ、三つと理解していかないと全く違う文化の移民とうまく共存するのは難しいと考えられる。英語がわらからない人が英語圏に移民をしテロ行動を起こすなどどいうのを聞いたことがあると思う。イギリスでは英語を話せない移民が増大しており、たくさんの言語に対応してなければいけなくなり、そんなにたくさん対応できない現実もあるという問題がある。また英語圏なのに英語をしゃべることができない人ばかりが移民すると英語圏にあった文化はなくなる恐れもある。アメリカは多様な人種が多く、英語をしゃべることができない人もいるし、そのような人たちが何を考えているか英語圏の人達はわからないので不信感の増大にもつながる。違う文化の人達と共存するにはそれぞれが理解しあう必要があるので移民先の言語の理解は絶対でさらに交流のある移民の言語も最低でも一つは理解するのが望ましいと僕は考えている。

移民問題と共存の観点から機械翻訳の向上により将来は外国語を学ぶ必要がなくなるというのは考えづらい。
僕は将来は英語、日本語だけでなく、第三、第四の言語習得が必要な時代が来ると思っている。すでにシンガポールには3ヶ国語、4ヶ国語としゃべることができる人は多くいるわけで、それこそ多様な文化の共存する社会なのではと思う。
たぶん岡田斗司夫氏は英語コンプレックスが強いのかもしれないので、このような未来は外国語を学ぶ必要はなくなるという希望的観測を言ったのかもしれない。僕がもし日本語しか学んでいない日本人なら岡田氏の考えを信じたい、でも英語を学び、外国人の友達が増えて思うことは相手のことを知るためには機械翻訳に頼らず言語習得が必要と思うことし、翻訳を通して話してもらうより自分声で伝えて相手の声を聞きたいと思う。

2:パーソナルエージェントによって外国人の気持ちを理解できるようになるについて

直接会話をせず、ロボットのようなものが翻訳し相手に伝えるパーソナルエージェントというもので相手の気持ちを考えて会話できるようになるというもの。
SFっぽくて僕は好きなのだが、この状況が実現すればパーソナルエージェントを使わないで会話をしたいという人が増えるのではないかと僕は思う、なぜなら直接会話をしないほうがストレスが少ないと岡田氏はいうが、直接会話をしないことのほうがストレスがかかると気づく人が増えるのではと思う。今でさえ、英語の初心者はgoogle翻訳などを使っていると思うが、相手の言っていることを訳し、相手に伝えるという動作ほどめんどくさいことはない。それに外国人と話すとき翻訳者を通して話す場合でもテンポよく会話ができないことにイライラすることは想像できるだろうか?さらに毎回通訳者を通さないといけないことに悲しさ寂しさを感じることも想像できるだろうか?相手に直接伝えればどんなに嬉しいことか、もっと仲良くなれるかもしれないし、通訳者を通すより本当の気持ちが伝わりやすいかもしれない。自分の考えと気持ちがきちんと自分から伝えることができないことは悲しいし、寂しいと思う。そのようなことからパーソナルエージェントなどというロボットが出てきても、相手のことをきちんと理解できているのか不安は残るし、直接話せるようになりたいと思う人は増えると思う。
今の日本ではまだ想像できないかもしれないので、パーソナルロボットで代用すればいいと思うのかもしれないが、アメリカのように移民がもし増えたとしたらパーソナルエージェントなんてしてたら時間もかかるり効率が悪いし、根本的な移民問題を解決するために移民と国民含めて共通の言語と相手の言語を理解するようにするのではないかと思う。

3:日本のユーチューバーは海外のユーチューバーとの競争に放り込まれることについて。

海外のユーチューブがすべて日本語でしゃべっているように聞えたら今の日本人ユーチューバーは海外との競争をしなくてはならなくなるというもの。
僕は全く悲観的でない。競争しても日本のコンテンツと海外のコンテンツにはそれぞれ面白いところがあるので、日本のコンテンツの多くがなくなるとは思えない。例えばゲーム実況で言えば海外で同じゲームがあれば今より競合するだろうが、海外と日本では好まれるゲームも違うのですべてが競合するかというと違う。好まれるゲームには各国の文化背景、言語形態などからくる考え方も関わっていると思うので、自動翻訳の性能が向上したからといって日本のコンテンツがものすごくなくなるとは思えない。そして日本のユーチューブビデオですごいと思うのは「モンストアニメTV」。海外のユーチューブビデオでここまで作りこんでいるビデオがあるだろうか?個人のものではないにしても個人でも力のある人なら作ることのできるレベルのクオリティだと思う。プロでなくとも数人でチームを組みモンストアニメTVレベルなら作れる人達が今後増えてくる可能性もある。しかし海外でこのクオリティをだそうとすると難しいと思う。海外のカートゥーンは日本のアニメと比べてクオリティが低いのが当たり前だし、ユーチューブだからテレビのカートゥーンよりレベルがあがるわけではない。ただ、海外のコンテンツを見て日本語で同じようなことをしていた簡単なコンテンツの場合は海外との競争でなくなる可能性はある。でもトークショーのようなものは各国独自の文化とネタがあるので競合しづらいのではないかと思う。
将来は日本だけを対象にしたコンテンツはなくなっていくというが、僕の希望的観測だけど日本人を対象にしたコンテンツはなくならないほうがいいと思う。面白いことは独自の考えが含まれていることが多くあると思うし、日本ならではの文化があってさらに文化が育って面白いものが生まれると思うので日本人だけを対象にするものはたくさん残ると思う。それに漫画の購入者は日本人がほとんどだし、漫画から派生する商品も多くが日本人顧客。それらから派生するユーチューブビデオも日本人を対象にしたほうが効率的。言葉の壁がなくなっただけで、今まで日本人を対象にしてきたコンテンツが無くなるというのは、考え方も文化も違う他国の人がいきなり漫画を買いだすかというというと考え方に無理があると思う。

4:ハリーポッターのような世界ヒット作品が増えて、日本人を対象にした映画などは人気がなくなるについて

僕は言語の壁がなくなったからといってハリーポッターのような作品が増えるとも思えないし、日本人を対象にした映画が人気がなくなるとも思えない。ハリーポッターのような作品は低予算ではないし日本の制作費とは比べものにならないコストがかかっている。言語の壁がなくなっても製作コストは変わらない。でも低予算の人気の映画は言語の壁が無くなることで増えるかもしれない。日本人を対象にしてたはずが日本で人気がなかなかでず海外で人気になってしまったなんていうコンテンツは色々あると思う。例えば攻殻機動隊。もし海外を意識して作っていたならば海外で人気はでなかったかもしれない。海外の人が思いつかない世界観だったからこそ人気になったとも考えられるし、日本人を対象にすることが言語の壁がなくなることで小さいマーケットになったとしても、小さいマーケットを狙う人達もいるだろうから日本人を対象にした映画がなくなるとも思えない。アニメなんて日本人を対象にして作っているものでも、中国語に翻訳されたてすぐ見られたり、日本語でも違法アップロードされたりして根強いアニメファンが世界中にいるから日本人を対象にしているものは人気がなくなるとは思えない。ますますアニメファンが増えそうだ。アニメでなくとも実写映画の「おくりびと」。
海外なんて全く考えてなかったと思われる世界観でも海外で人気。日本人を対象にした映画とは実はものすごい人気になるポテンシャルを秘めており、言語の壁がなくなることで世界で触れることがなかった作品も触れるようになり人気がでてくると思う。

5:今後はユーチューブで食っていくことが難しくなることについて

岡田氏の想像力はとてもおもしろい。これから数年でユーチューブの主流はアイドルと芸人になり、冗談で書かれているのかわからないが将来はAIユーチューバーに淘汰されるというのだけどそれはありえないと思う。アイドルや芸人は多くユーチューブに出てくるかもしれないがその結果で個人のユーチューブチャンネルが人気がなくなるとは思えない。僕はあまりアイドルや芸人がわからないというのもあるけど、特定の芸人やアイドルをユーチューブで追いかけるということをしない。それより面白い番組はたくさんあるし、それいにこれからユーチューブの視聴者は子供よりもっと大人を取り込めていくと思うから、ユーチューブのコンテンツも大人向けのものが多くなり人気のチャンネルの内容は変わってくるんじゃないかと思う。視聴者の層によって人気なコンテンツは変わってくる。例えば、日本語だけのユーチューブチャンネルより現段階で言語の壁が低いと思う海外のユーチューブを見ると芸人やアイドルに荒らされているわけではない、その理由に一つはたぶん各国それぞれ人気のコンテンツの特徴があるからだと思う。僕の感覚だけど、競技が大好きなアメリカではスポーツ系は人気だし、日本以上に企業が参入しているような国もあるし日本は個人で人気になっている人が意外と他国より多いのではないか?とも感じる。視聴者の層によっては人気コンテンツは変わるので、芸人とアイドルが一時的に人気になっても個人でも面白いコンテンツを作る人はたくさんいるし、結局は興味をもたれる、面白いものが作れるかどうかだと思う。それと将来もし言語の壁がなくなったとしたら、英語のコンテンツを日本語で簡単に見るようになる、そうなると小さいときから外国人を見慣れて、異性に対する好みというのは大きく変わるのではないか?と思う。日本のアイドル、芸人が人気となったとしても、感性が変わると日本の女性、男性アイドルは子供っぽいし、男性アイドルは女の子っぽくてアイドルには見えない、とさえ思う人が日本で多く誕生するかもしれない。アメリカに長くいる日本人の友達が言っていたが、長くアメリカにいたら感性が変わってアメリカ人の見た目のほうが好きになってきた、という人がいた。この例からも言語の壁がなくなると今の日本ユーチューブ市場は将来同じコンテンツが残るわけではないとも言えるし、日本のアイドルや芸人が人気になるともいえない。そうするとハリウッドスターが人気になるかというと、それは言語の壁がなくなる前に比べれば人気は高まっていくだろうが、視聴者層の変化というのがあるのでハリウッドスターが日本ユーチューブ市場を荒らすとは思えない。それに言語の壁がなくなれば、アメリカスターだけでなく他国のスターも入ってくるわけだし、そんなにたくさんのスターを追いかけまくるのは無理があるんじゃないかと思う。一定のスターを追いかけるとは考えられるけど、でも自国のスターのほうが他国のスターよりリスペクトしたいと思う人も多いんじゃないだろうか。言語の壁が日本のユーチューブより低いアメリカで急上昇を調べると他国のスターより自国のスター、自国のニュース自国に関連するものが多くでてくる。これは簡単な調査ではあるけど、言語の壁がなくなっても自国について興味を持つ人はたくさんいるし、自国のユーチューブチャンネルのほうに興味を持つ人が多くいるのではないだろうか?と思う。言語の壁がなくなっても自国へのアイデンティなのかナショナリズムからのか日本ユーチューブ市場は日本独自の路線で走っていくし、海外ユーチューブ市場が日本ユーチューブ市場を荒らしまくるとは思えない。

6:人間ユーチューバーはAIユーチューバーに淘汰されるについて

発想は面白くて好きなのだが、AIユーチューバーが人間ユーチューバーを淘汰するとはどう考えても難しい。仮想世界のほうが現実世界よりいいと思うのはわかる、でも現実の世界なくては僕達は生きることはできないのし現実の世界に興味を持たないというのはない。どんなにAIが進化しても人間ユーチューバーが全くAIによって消滅させられるなんてことはない。電子書籍がでたとき、紙の本は無くなるのかと言われていたけど紙の本を利用する人は多くいるし紙の本だからいいという本もある。電子書籍では紙の素材による違いもわからないし触ることもできない。小説や漫画なら電子書籍でもいいが特別な素材を使ったアート本などは電子書籍にするなんてことはかなり勇気がいることだ。人間にはAIにはない魅力があるから人間ユーチューバーが無くなるなんてことは考えられない。

でも攻殻機動隊のような世界が現実になるとしたら人間を淘汰するほどの魅力的なAIユーチューバーは実現するかもしれない。20年後に攻殻機動隊のような世界ができているかというと、考えられないと思う。電脳化さえたAIユーチューバーは何かのショックでデーターを吹っ飛んでしまうリスクがあり、生中継中にショートして動かなくなるや人格が突然変わったなどということがありえるかもしれない。それに比べて人間ユーチューバーは安定的だと思うので意外と人間ユーチューバーの人気もAIユーチューバーには負けないかもしれない。

ターミネーターは完全に人間の気持ちは理解しているわけではない、いくらターミネーターが美少女、イケメンロボットだったとしても人間の心が欠けている不完全人間より生の人間のほうが魅力はあるだろうし、しかも、人類では到底作ることのできないビデオ本数を毎日アップロードするなんてことをAIがした日には視聴者の心は置いてけぼりにされるだろうし、すべてビデオを見る時間も取れないだろうから自分のペースで見ることのできるAIチャンネルか人間のチャンネルに落ち着くと思う。
現実に動くターミネーターのようなAIや攻殻機動隊のようなハイブリットのAIではなくもっとヴァーチャルな世界のAIならありえそうな話ではある。かわいいポーズをする、おもしろい行動をするというのは見ていて面白いと思うが、それだけでなく人間とコラボするなんてことも出てくるだろうから、人間が完全に淘汰されるなんていうのはありえない。人間とスポーツをする、人間とゲームをする、人間とおしゃべりをするなど。またAIの進化がすさまじいく発展しAIユーチューバーと人間の区別がもしできなくなった場合、ロボットと人間の関する法律が制定され、AIにそこまで興味をもたせないような取り組みが行われると思う。あまりにも魅力的なAIユーチューバーは人類の発展と成長の危険因子と指定されるかもしれない。子供に害を及ぼす画像や映像を見せないのと同じで、AIユーチューバーはしか愛せないなんていう人がうまれてしまえば人類の危機だ。今でもアニメキャラしか愛せないという人はいるものの、それでもオタク同士で結婚なんていうのはよくある話だ。それはまだアニメキャラがAIのように自動化されたものでないからオタク同士で結婚という選択がある。もしアニメキャラが自動で魅力的な行動をしていまえば、もうオタク達はアニメキャラと結婚しか考えられなくなるかもしれない。それは人類の危機なのだ。見た目が人間に近い人を惑わす魅力的なAIには人権は与えてもらえず、ユーチューブの露出は控えさせられるかもしれない。ユーチューブで出てくるAIは欠点があり生身に人間の魅力が輝く可能性のある場合に限ってAIユーチューバーが活躍できるのではないかと勝手に思っている。

ちょっと考えすぎか、ずれているかもしれにあが、まぁAIの未来を考えるのは楽しい。

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