【漫画感想】来世は他人がいい 

面白いと聞いて絵の雰囲気も好みでない、しかも内容がヤクザものという全く興味を感じない漫画を読んだ。
1~2巻まで読んで思ったことはこれ面白い!

1巻の最初のページからして全く興味を感じなかったのにとりあえずせっかくだしと思って読み進めていると絵が好きでない漫画でもどんどん読み進めてしまった。
何が面白いと感じたのかというと、

1:主人公の吉乃が女性で有名ヤクザの孫なのにめちゃくちゃ普通だった。でも深山という関東一の勢力のあるヤクザの孫の子と付き合うような感じになっていて、その深山が異常すぎてその異常性への吉乃のやり取りが面白い。ヤクザものの変わったラブコメでぶち切れる女子高生ってあまり見たことないなぁと思いながらいつでもブチ切れている吉乃をみながら、面白かった映画ハッピーデスデイの主人公にも似たものを感じた。この映画もホラーラブコメで女性もかなりぶち切れていてめちゃくちゃ感が面白かったのだ。めちゃくちゃ感というのとヤクザとラブコメという組み合わせがエンターテイメントとして見ても魅力を感じたのだと僕は思った。ハッピーデスデイでもビッチな主人公が精神的にも物理的にもいられる居場所を見つけて好きな人と結ばれる。吉乃も頭のおかしな深山に振り回されつつも死に物狂いでしがみついて負けないように自分の居場所を作っていこうとする。女性が居場所をもとめて行動していくのは現代の社会でも見られることが多くあると思うので漫画「来世は他人がいい」は社会を反映した内容が少なからず含まれている。

例えば、
現代の多くの女性は承認欲求が非常に強いんじゃないかと思う。SNSでは自撮りを投稿されており誰かに認めてもらいたい気持ちと理想の自分を叶えたい気持ちがあるのが見て取れる。誰もが有名になれる可能性がある中では競争原理が働き、その環境に疲労している女性が意外と多いのではないかと思うのだ。自分に嘘をついて、化粧を盛ってインスタに投稿して有名になるためにやりたいわけでないけど好まれることをやって、自分にもその人間関係にも疲れて、自分に自信がなく整形したいと思い出したり他人に承認されたくてたまらない人が吉乃のきどらない嘘をつかない、でも吉乃の戦わないといけない環境が現代の競争原理の下克上にもかぶり嘘つかなくてもこんなにもかっこよく女性でも生きられるんだと魅力を感じるんじゃないかと僕は思うのだ。

中には有名になりたいだけでなく目先の利益を追うばかりで余裕がなくなる人もいるかもしれないが吉乃はお金より自分のプライドやルールのために命をはっていることは現代社会ではめずらしい考え方で疲労した社会には命をはらなくともプライドや伝統などというのを大切にするという考えは見直されつつあるので吉乃の行動は惹き込まれる要素はあると思う。
吉乃が極道の孫でもそうじゃなかったとしても態度や発言には普通に見えていた吉乃がぷっつりいっていてそんなに自分を出せる吉乃の姿に現代の女子の憧れが少なからず含まれているんじゃないかと思う。

ただ腎臓を摘出して売ってくる吉乃にそんなにしなくてもいいのにと思ってしまう。

2:深山の異常性に意外性があって次どんなことするのかが予想できないのが面白い。予想できないというのも映画ハッピーデスデイを例に出しても襲ってくる人がいつくるのか予想できないのは面白いのと似ている。
深山が吉乃に惚れてそれを吉乃が拒みつつけ深山を振り回すようにみえて深山に振り回されていていつ吉乃が深山を振り回せるようになるのかを見ているのも面白い。現実社会では深山のようなねじれた愛はあったとしても希だと思うし深山のように男性側から女性に頭がおかしくみえても積極的に相手に好きになってもらおうと動くというのも少ないと思うのでそんな男性がいたら面白いな、いいなぁと思う女性もいるんじゃないかと思う。
変な男性に惚れられても変な男性にさえ惚れられない人がいたり振り回すぐらいの男性が少なく深山のような男性を見ていて面白いと感じるじゃないかと思う。僕は男性側の視点に立ってみても深山のように吉乃にブチ切れられ嫌われても気にせず好きになってもらおうとする姿勢はすごいなぁと思う。特に現実社会ではSNSで批判があったりしてへこむ人もいたり人の目を気にして積極的になれないことはあるからこそ深山の自由な行動には面白さがある。それをドM体質な人が見るから楽しめるという考えもあるが見たことないぐらいの頭のおかしな人を見せたほうが面白さはあるしいろんな情報が溢れている現代社会で目立つには深山ぐらいのおかしさがあったほうが面白い。

SNSやユーチューブでも過激なことがどんどん増えているのと同じく過激な深山の吉乃には魅力を感じる。それはけっして憧れるようなものではないけど面白く感じるのだ。それはまるで作家、花村 萬月の「笑う山崎」というヤクザ物語の面白さに似ている。理屈が予想外のところから来るところや残酷性は笑う山崎ほどではないが残酷性もある。
悔しいのがヤクザ関連の本はあまり好きじゃないのに「来世は他人はいい」でも「笑う山崎」でも考えさせられるところがあるところだ。経済的な効率を超越し社会問題を浮き出させてくる論理はヤクザに言われるより魔法少女やロボット系の主人公に僕は言ってもらうほうが好きではある。
でもやっぱり深山は気持ちが悪い 笑

3:個人的には吉乃や他の女性の服やレズミなどの細かいところを見ていて面白かった。服だけでなくて背景をあまり描かない漫画もあるなかそこそこ描かれていると思うので全体的な雰囲気に重厚感が少しありストーリーや絵が好みでなくとも背景も含めてみることを楽しめたが、特別かっこいい背景というわけではなく殺風景なものが多いので物足りなさはある。
それでもアクセサリや服の柄など拘りがあるのかバリエーションがあっていいと思った。

まとめると

面白そうにみえなかった作品だったのに惹き付ける力があるのは吉乃の半端なさと深山の異常さと気味の悪さが絡み合うラブコメが面白いからだと思った。先が全く読めずまた見たいと思わせる内容だった。

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